ショート・ショート『月夜と君と最終電車』

「間もなく、上り最終電車が参ります。お乗り遅れのございませんよう、ご注意下さい。」

月の綺麗な夜。今日も私は上りホームで、最終電車で帰ってくる君を待っている。

今日の君は、どんな格好なんだろう？夏場だと、汗っかきな君は必ず着替えて帰ってくるよね。私が去年の有明の決戦で買ってきたＴシャツ、着てくれてたら嬉しいな。

入れ違いになる下り電車が、先に反対のホームに入ってきた。信号は赤、だから上り電車はもうすぐ入ってくる。

――間もなく、上り、電車が参ります。危険ですから、黄色い線の内側に、お下がりください。

聞き慣れた電子アナウンス。
君を乗せた電車が、駅に着く。







「お待たせ致しました～、上り最終電車、間もなく発車致します。」



















電車の居なくなったホームには、最終電車の去った上りホームを掃除する駅員さんと……私しかいない。
そうだよね――今、何処にいるのか分からない君なんて、この最終電車に乗ってるはず、ないもんね。

分かってる。君の事だから、今頃どっかの宿に泊まってるか、どっかの夜行便を使ってるんだろうね。君の事は、誰より知ってるつもりなんだよ？

だけど、いつかまた……君が、この最終電車に乗って帰ってきてくれるって、私信じてるから。
その時までに私……いい女になって、君が離れられないようになれればいいな。

同じ月が私達を照らす限り――例えその月が見えなくても、私は君を忘れない。そして、君を好きで居続けるんだ。






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某氏の為に野比で上りの最終電車を見てて、ふと浮かんだショート・ショートを書いてみた。ショート・ショートを書くのって、何気に久しぶりかな？
きっかけは、ポルノグラフィティの『今宵、月が見えずとも』をちょうどその時に聴いて、大まかな話が浮かんできたこと。それで書き始めたら、FAの陽菜キャラソン『廻り時計』が来て、ちょいと失恋要素を(何故か)足したくなって足してみた。そしたら今度は……段々自然と病んできたwwで最終的に、微(？)ヤンデレ気味な要素が混じってきたんよ。

うん、今まで書いた中で、一番ヒロイン(？)が病んでるwwつーか今思ったんだけど……






この娘、“君”の居場所と行程が分かり次第、直ちに飛んでいくよww